S&P 500、Nasdaq-100、ダウ:それぞれの株価指数が測るもの

「今日は株が上がった」というとき、たいていは3つの指数のどれかが上がったことを意味します。S&P 500、Nasdaq-100、ダウはそれぞれ異なる企業群を追い、異なる方法で合算しています。違いを知っておくと、見出しを正しく読むのに役立ちます。
指数とは
株価指数は、ある銘柄群の価格を1つの数字にまとめたものです。水準そのものに意味はありません。20,000の指数が2,000の指数より、実用的な意味で「高い」わけではありません。重要なのは変化率と、どの銘柄がそれを動かしているかです。
指数を決めるのは2つの要素です。どの企業を含めるかと、それぞれにどれだけの重みを与えるかです。米国の代表的な3つの指数は、この2つの問いにそれぞれ異なる答えを出しています。
3つの指数を並べて比べる
- S&P 500。米国を代表する大型企業約500社で構成され、S&P Dow Jones Indicesによると、米国株式市場で投資可能な時価総額の約80%をカバーしています。各企業は浮動株調整後の時価総額、つまり一般に流通している株式の価値で加重されます。指数委員会が、公表された適格基準に基づいて構成銘柄を選びます。複数の株式クラスが上場している企業もあるため、指数の構成銘柄数は500をわずかに上回ります。
- Nasdaq-100。Nasdaq株式市場に上場する金融以外の大型企業100社で構成されるため、銀行は含まれません。修正時価総額加重を採用しており、ウェイトは企業規模に従いますが、上位のウェイトが大きくなりすぎないよう制限するルールがあります。テクノロジーの比重が大きいものの、ほかのセクターも含まれます。なお、ニュースの見出しの「ナスダック」は、Nasdaq上場銘柄を幅広く含むはるかに大きな指数、Nasdaq総合指数(Nasdaq Composite)を指すことが多い点に注意しましょう。
- ダウ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average)。米国の大型企業30社で構成され、決まった数値基準なしに委員会が選びます。株価加重方式で、企業の規模にかかわらず、株価が高い銘柄ほど大きく数えられます。名前とは異なり、現在は工業企業に限られていません。
加重方法によって1%の動きの意味が変わる理由
3社からなる架空の指数で違いを見てみましょう。A社は株価400ドルで発行済株式10億株、時価総額4,000億ドルです。B社は株価50ドルで200億株、1兆ドルです。C社は株価100ドルで50億株、5,000億ドルです。
株価加重の指数では、ウェイトは株価に従い、Aが72.7%、Bが9.1%、Cが18.2%です。時価総額加重の指数では、ウェイトは時価総額に従い、Aが21.1%、Bが52.6%、Cが26.3%です。グループで最大の企業が、株価加重では最も小さなウェイトになります。
ここで、1銘柄だけが10%上昇し、ほかは横ばいだったとします。Aが上昇すれば、株価加重指数は7.27%、時価総額加重指数は2.11%上昇します。Bが上昇すれば、株価加重指数は0.91%、時価総額加重指数は5.26%上昇します。同じ動きでも、見出しはまったく違うものになります。
株価加重にはもう1つ癖があります。どの銘柄でも株価が1ドル変われば、企業の大小にかかわらず、指数は同じだけ動きます。この例では0.18%です。株式分割をすると、事業には何の変化もないのに、その企業のダウへの影響力が小さくなるのもこのためです。
指数と、指数に連動するETFや先物の違い
指数そのものを直接買うことはできません。上場投資信託(ETF)は指数の構成銘柄を保有し、そのリターンに連動することを目指します。たとえば、SPY、IVV、VOOはS&P 500に、QQQはNasdaq-100に、DIAはダウに連動します。これらは例であり、推奨ではありません。
- 価格は指数の水準ではありません。ETFの価格は、連動する指数とは別の数字です。
- リターンはわずかに異なります。ファンドの手数料や配当の扱いによって、ETFのリターンは指数と完全には一致しません。見出しになる指数の水準は価格だけを追っており、配当は含まれていません。
- 先物はより長い時間取引されます。S&P 500やNasdaq-100のE-mini先物などの株価指数先物は、平日はほぼ24時間取引されています。通常取引が始まる前に、早朝のニュースに対する市場の反応を示します。
暗号資産トレーダーがこれらの指数を見る理由
Bitcoinやほかの大型コインは、米国株と同じ要因に反応することがよくあります。金利の予想、経済指標、そして投資家が取りたいリスクの量の変化です。多くの暗号資産トレーダーは、大型グロース企業の比重が大きいことから、特にNasdaq-100と比べています。
この関係は一定ではありません。暗号資産と株価指数が密接に連動する時期もあれば、別々の動きをする時期もあります。暗号資産のチャートの横にS&P 500やNasdaq-100を並べて見れば、ある動きが暗号資産に特有のものなのか、市場全体の振れの一部なのかがわかります。どちらが次にどう動くかはわかりません。
学習目的の情報であり、投資助言ではありません。暗号資産と株式は価格変動が大きく、レバレッジをかけたポジションでは投入した資金を上回る損失が生じる可能性があります。
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